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博士論文

博士論文では、多くの先行研究に目を通し、それらに精通するには時間がかかるだけでなく、自身が新たに切り開いた研究結果について間違いのない成果を示すということにどれほどのエネルギーがかかるかは人によって異なるかもしれないとは思っております。なぜならば、課程に在籍中には博士論文のテーマ以外にもいくつかの内容をこなしており、それらが必ずしも博士論文の完成に寄与するものばかりでない可能性があり、また人によっては戦略的にそのような蓄積をして博士論文の作成時には相当にそれらが成果を発揮して労力の削減が可能な場合もあろうかと思われるからです。でも、博士論文でなくても他者の記述をまるまる記載してしまうなどはあり得なく、それぞれ努力の果てにできあがった労作であるはずです。それが昨今ではコピペが当たり前のような状況という報道にかなりショックを感じております。

会社では、調査研究・動向報告などというものもあり、必ずしもオリジナルなものばかりを求められるだけではありませんが、少なくとも多くの先行研究について知識を豊富に持ち、それに関する解説・評価を持つだけの器量が求められます。あるいは学会活動では、他者の論文査読を担当することも少なくなく、その引用文献まで目を通して記載内容と齟齬のないことを確認するのはかなり手間のかかることです。その分野ばかりを議論・研究している場合にはまだ自身の記憶を頼りにできるのですが、場合によっては畑違いの論文が査読に回ってくることもあります。そんな時にはどうしても時間をかけて調べるわけですが、コピペのチェックなどをするということはいままで考えもしておりませんでした。

今後、論文の査読する機会があるとすれば、まずはそのような確認を事務的にスクリーニングした後のものを受け取るか、どこかのサービス会社がそのような類似比較をして「オリジナル率」のような数値を段落ごとにでも評価した結果を受け取って調べるような体制が求められるかと考えています。むしろそんな商売をする組織・会社が出てきてもおかしくはないだろう。ただし、責任を求められたくない役所が関わるとは考えにくい。